【日記】長編古典講師ミュルミドネスの雑感

古典の話とがも含めて何でも

カマラ・ハリスは勝てる余地が充分にあった

トランプ氏の勝利が決定したが、一部識者から言われていた通り、世論調査では出てこない「隠れトランプ」の存在が大きかったことは、認めざるを得ない。

 

ただ、(記事執筆時点でミシガン州は決まっていないが)ハリス氏は、ラストベルト3州をとれば勝てたわけだし、そこは全て僅差だったから勝てる余地はあったと思う。

 

やはり敗北した原因は、トランプ氏のように、選挙集会の数が少なかったことが大きいと思われる。私はヤフーニュースの国際覧をほぼ毎日見ていたのであるが、良くも悪くもトランプ氏の集会ばかりが目立ち、特に大事な9月の時点では、ほとんどハリス氏が選挙集会を開いた記事が出てこなかった。

 

はっきり言って、トランプ氏の政策論集を論破するのは簡単なことである。インフレ抑制を有権者は求めているのに、関税を引き上げて物価上昇を上げる方向にやろうとしているわ、金利に関してもトンチンカンなことを言うわで、減税したらその後の財政はどうするのかとか、移民を減らしたり追い出したりしたら、労働力が減って経済に悪影響を及ぼすわなど、楽に論破できたと思う。一般常識、あるいはちょっと専門家の知恵を拝借すればトランプ氏より自分の経済政策の方がマシだと訴え続けることは容易だったろうに。

 

繰り返し訴えるべきことで、ハリス氏は今回一番の争点たる経済政策で優位に立つことができたであろう。他にも移民問題や失言で簡単に話すネタはできたに違いない。

 

しかし、それ以上に大事なのは、キチガイじみたくらいたくさん政治集会を開いて有権者と触れ合うことである。しかもハリス氏は、予備選挙を経ないで大統領候補となってしまったわけだから、余計にドブ板が必要であった。

 

トランプ氏は、誇張はあるかもしれないが、今年に入って900回政治集会を開いたそうである。果たして、ハリス氏は何度やっただろうか。そして、有権者が一番求めている経済政策の争点で自らの方が優れていると何度訴えただろうか。

 

当然政策を度外視してよいわけではないが、あいにくと私にはハリス氏がトランプ氏のような狂気じみた回数の政治集会を開いたようには思えなかった。各地の有権者とたくさん触れ合ったようには映らなかった。

 

また、今さら言ってもあれだが、自らの経済政策を主張するよりトランプ氏の経済政策を批判し続けた方が良かったように思う。トランプ氏の暗殺事件の頻発で抑制的になったのかもしれないが、相手の政策を批判し、自らの政策の優位性を主張するのは、政治家として当然である。