読書感想文について、急に書けと言われても、そりゃ無茶だろうと思う。
だって、そもそも学校の国語の授業で何やってます? 短い作品しか、評論も小説もやっていないでしょう。
それなのに、長期休暇になって、急に長い作品を読んで、どんなテストの解答よりも長く文章を書けと言われても、そりゃ困るってもんだ。自由研究と並んで、子供たちがどうすればいいのかわからなくなるのも納得である。
私は、少なくとも学校の先生から、読書感想文の書き方を教わったことは一度も無い。
小学校低学年のときは、原稿用紙にいつの間にか物語の本文を写していたけど、やり直しを命じられることはなかった。
しかし、学びにメリットを求める人間(時間と労力を費やすんだから当然だと思うが)からすれば、学校教師は、読書感想文を通して、一体どんな能力を身に付けて欲しいのか、よくわからない。
個人的な経験則から言えば、たとえば夏休みと冬休みに読書感想文が課されたとしても、大して能力は伸長しない。たった年に2回では、正しい方向に努力をしても、量が少なすぎて、学生の能力はほとんど伸びないだろう。
だから、学校教師は、読書感想文に何を求めているのかを伝えて、どういう感想文を望むのか、小学生だろうが高校生だろうがしっかり伝えるべきだと思う。そして、能力を伸ばして欲しいなら、なるべく多くやるべし、と伝えない、と意味が無い(たとえたくさんやる人が少数派だとしても)。
それから、長編モノの作品とけっこう親しんできた者の感覚として、全てではないが、長編モノは基本的に説明量が多くてわかりやすいことが多い。いわゆる筆者の主張が明確に見えてくることが多い。むしろ、翻って文章力の少ない、学校の教科書の文章の方が、説明量が少ないために、いわゆる読解力を試されるだろう。
なのであまり臆せずに長編モノと向き合ってくだされば、と思う。